樹木葬で遺骨はどうなる？埋葬方法による違いも解説

近年、従来の墓石による埋葬方法に代わる選択肢として注目を集めているのが「樹木葬」です。樹木葬は、自然と調和した形で永遠の眠りにつく新しい埋葬スタイルとして、多くの人々から関心を集めています。

一方で、樹木葬に関する様々な疑問を抱えている方が多いのも事実です。この記事では「樹木葬で遺骨はどうなるのか？」をテーマに、樹木葬の基本的な概要や埋葬方法による違いなどを解説します。

樹木葬に興味のある方や、遺骨がどうなるのかを知りたい方はぜひ参考にしてください。

樹木葬とは？

墓石を用いずに、遺骨を樹木や草花の下に埋葬する新しい形の埋葬方法です。自然と調和したシンプルな埋葬を目的としており、従来の墓地に代わる選択肢として注目されています。

遺骨は土に直接埋葬、または専用の容器に入れて埋葬されるのが一般的です。その上に樹木を植えたり、元々ある樹木や植物の一部として扱うことで、墓地全体が自然の一部となります。

近年では、自然志向や親族への負担軽減を求める人々から支持を受け、都市部の霊園や地方の自然豊かなエリアで多様なスタイルの樹木葬が提供されています。

樹木葬で遺骨はどうなる？

樹木葬に興味をお持ちの方で「埋められた遺骨はどうなるのか？」という疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

先述した通り、樹木葬では、遺骨をそのまま土に埋める場合もあれば、専用の容器や布に包んで埋葬されることもあります。その容器や布は自然素材で作られており、時間の経過とともに分解されます。

埋葬後の遺骨は、土中の微生物や環境条件の影響を受けて徐々に分解され、周囲の土壌に溶け込んでいきます。その結果、木々や植物の成長を助ける栄養分の一部となり、自然との一体化が実現します。

遺骨の移動はできない？

「樹木葬では埋葬後に遺骨の移動はできないのか？」という疑問をお持ちの方もいるでしょう。

墓石のお墓と異なり、遺骨を骨壷に収めたままではなく、土壌に直接埋葬する形式になりますので、一度埋葬された遺骨を移動したり改葬したりすることは、基本的にできません。

樹木葬の特徴である「自然に還る」というコンセプトに基づき、埋葬された遺骨は土壌の一部となり、時間の経過とともに自然に分解されていきますので、後から遺骨を取り出したり、別の場所へ移したりするのが難しいことは理解しておく必要があります。

樹木葬の埋葬方法による違い

樹木葬は大きく「個別埋葬型」と「集合埋葬型」に分けられます。

埋葬方法によって、遺骨の取り扱い等も異なりますので、それぞれの特徴や違いについて解説します。

個別埋葬型

遺骨を個別の区画に埋葬する方法で、樹木葬の中でもプライベート性が高い形式です。この方法では、1区画ごとに1人分、または家族単位で遺骨を埋葬するため、他の遺骨と混ざることはありません。埋葬スペースには目印としてシンボルツリーが植えられたり、小さなプレートや石碑が設置されたりする場合が多く、故人を偲ぶ場として適しています。

また、ペットと一緒の埋葬が可能な区画が用意されている場合もあり、家族として大切にしていたペットとともに眠ることを希望する方にも選ばれています。

個別埋葬型は、他の遺骨と混ざらないため、家族や親しい人たちが訪れる際に特定の場所で故人を偲びやすいという利点があります。一方で、この形式を選ぶ場合、初期費用や区画の維持管理費が比較的高めになります。